診療用エックス線装置の導入・更新は、医療機関にとって診療環境を整える大切な機会です。装置の選定や工事と並んで、行政機関への届出や放射線防護の確認も必要です。京都府内の医療機関の皆さまに向け、京都府・京都市の公表資料をもとに基本を整理します。
備付届と提出期限
医療法施行規則第24条の2では、診療用エックス線装置(定格出力の管電圧が10キロボルト以上で、エネルギーが1メガ電子ボルト未満のもの)を備えたとき、10日以内の届出が定められています。事後届出であっても、診療室の遮へいなどの安全確認を使用開始まで先送りしてよいという意味ではありません。
必要となる添付資料
装置の製作者名、型式、定格出力、診療室の構造設備、防護措置などの情報が必要です。京都市では据置型装置について、隣接室や上下階の用途、照射方向、防護物の材質と厚さなどを記した平面図・側面図、漏えい線量測定結果を案内しています。移動用・携帯用装置は別の届出様式と分布測定結果が案内されています。また京都市は、添付書類を含め2部を窓口へ持参するよう案内しています。最新の受付方法をご確認ください。
更新・追加・廃止の手続
京都市では、装置の更新・追加・一部廃止について「診療用放射線に関する変更届」を案内し、変更後10日以内の提出を求めています。装置を変更した場合は、新たに備え付けた装置の備付届を添付する取り扱いです。診療所の廃止や装置の全部廃止では「診療用放射線に関する廃止届」を廃止後10日以内に提出します。京都府でも備付・変更・廃止の届出様式が案内されています。なお、ほかの診療用放射線設備には事前届出が必要な場合があるため、一律に扱わず施設と装置の種類を確認しましょう。
CT・一般撮影・透視の放射線防護
一般撮影では照射方向や撮影条件、CTでは装置の特性や散乱線の分布、透視では透視時間や使用方法などが重要です。装置更新や診療室の転用では、新しい使用条件に対して既存の遮へい設備が適切か確認する必要があります。遮へい計算や漏えい線量測定には専門的な知識、実務経験、適切な機器が求められます。
測定事業者と行政書士の役割分担
装置仕様の提供、放射線防護の技術的な検討、測定、測定結果報告書や図面の作成、官公署への届出書類の作成は、互いに関連するものの性質が異なる業務です。行政書士法は一定の官公署提出書類や事実証明に関する書類等の作成について規定しています。測定報告書・図面の法的位置付けは、内容、目的、対価や業務の実態、他法令との関係に応じて個別に検討する必要があり、一律に断定することは適切ではありません。医療機関が自ら書類を作成することもできます。今後、改正行政書士法と専門家の役割分担についても、別の記事でご紹介します。
当事務所の考え方
シーズナル行政書士事務所では、医療現場への理解を生かし、診療用エックス線装置に関する行政手続を、行政書士として取り扱える範囲で丁寧にお手伝いしたいと考えています。遮へい設計や漏えい線量測定などの技術的業務については専門事業者の役割を尊重し、必要に応じて連携します。新しい設備を迎える医療機関の節目に、行政手続の面から寄り添えれば幸いです。行政手続についてのご相談は、お問い合わせページからご連絡ください。
参考資料
※本記事は2026年10月時点の一般的な情報提供です。実際の必要書類・届出は装置や施設によって異なります。

